あのゴジラが最後の一匹だとは思えない。もし水爆実験が続けて行われるとしたら、あのゴジラの同類が世界のどこかで現れてくるかもしれない」
『ゴジラ』の最後のシーン、志村喬演じる山根博士の台詞です。
『ゴジラ』の発生が、アメリカの水爆実験によるという設定は、当時の「第五福竜丸事件」の記憶が生々しい日本人にとって、説得力のあるものであったからだ、というのは有名な話ではあります。だから『ゴジラ』という作品が原水爆へのアンチテーゼであるというのは、暴論ではある。
しかし、今、この作品が内含する重い情念のようなものは、そこに起因しているようにしか思えないのですが、いかがでしょう。
原作者として名前を連ねる香山滋は試写会の後、ひとり座席から立てず「ゴジラがかわいそうだ」と泣いていたそうです。
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