2014年5月2日金曜日

【第20回宮崎映画祭上映作品その3】『ビフォア・ミッドナイト』

1995年に公開され、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」。
旅行先でたまたま出会ったイーサン・ホーク演じる男性と、ジュリー・デルビー演じる女性が一目惚れから、不意に降り立ったウィーンで一晩を過ごすラブ・ロマンス作品。
普通のラブ・ロマンスではなく、話の方向のみを与え、後は主演の2人が会話しそれを長回しで取っていくという構成にしたことで、まさに恋人ならではのリアルな空気感を生み出すことに成功している。
それもあって、他の恋愛映画とは一線を画す恋愛映画の金字塔となった。

別れた2人の9年後を描く「ビフォア・サンセット」(2004)はパリを舞台に、ロマンスの顛末を同じスタイルで描きながら、一夜では終わらない大人の恋の行方を描いた作品だった。

 © 2013 Talagane LLC. All rights reserved.

そして、今回宮崎初公開の本作は2作目「ビフォア・サンセット」の更に9年後を描いた作品で、前2作と同じく、監督リチャード・リンクレイター、主演男優イーサン・ホーク、主演女優ジュリー・デルピーという今世紀最高のコンビによる19年に亘る壮大なる恋愛映画3部作となった。

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シリーズをずっと観てきた人にとっては、いつもの会話劇のリアル感を堪能できるとともに、1作目のウィーン、2作目のパリ、そして本作のギリシャと、旅行に行ったような空気感をスクリーンから感じられるのも作品としての魅力となるところだろう。
会話劇としても優れているのは、2作目3作目ともに、監督主演の3人による脚本がアカデミー賞にノミネートされたことでもわかると思う。

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宮崎映画祭で無事公開される本作だけ観ても十分堪能できると思われるが、時間のある方は映画祭までに「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」と「ビフォア・サンセット」を見てから本作に臨むと更に楽しめると思われます。


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